「あなたのその車椅子のその格好は財産だよ」
運命を好転させた一言
1992年の秋、愛媛県伊予三島市で佐藤康行先生が講演をされました。その講演会で、交通事故で絶望の車椅子生活の青年がいました。桂さんというその青年は、その時、佐藤先生が伝えた、たった一言で、人生が劇的に生まれ変わったのです。
その事を、感謝のお手紙に綴り送って来てくださいました。講演会からの3年後、まったく生まれ変わってしまったご様子が大変伝わってくるお手紙です。
佐藤先生の著書にも、何度も紹介されている、桂さんの感謝の体験談をご紹介させていただきます。
佐藤康行先生
謹啓
梅雨のうっとうしい時候です。ご無沙汰致しております。
私は3年前に、四国愛媛の伊予三島市で、御講演下さいました折、車イスで参加させて頂いた者でございます。
あの時、佐藤先生は、私の姿を見るなり「君は素晴らしい財産を持っているねえ。こんな財産、誰も持ってないよ」と、仰って下さいました。
私は、目からウロコが落ちました。あの日以来、私は誰も持っていない特別ないい物を持っているんだ!!という気持ちを常に持てるようになり、せっかく気付かせて下さった長所だから、何とかして活かさねば、と考えるようになりました。
そして、もう一つ、佐藤先生は、あの日、「心からワクワクすることをしなさい」とも仰られました。
私は、事故に遭った時、工学部の学生でした。元々、エンジニアの道に進みたいと思い大学へ通っていたのですが、不自由な身体となり、諦めておりましたが、自分が本当にしたい仕事は、その様な理工系の仕事であります。
何とかどこかに良い仕事はないものかと熱望しておりましたら、勉強会で知り合った方から、設計をする為のコンピュータソフトを開発、販売している会社の社長と出会うことができました。
図面を描くという作業は、現在ではコンピューターがしてくれます。コンピューターを使うことならば、不自由でもできるのです。私はその社長がデモして下さっているのを見て、ワクワクしました「これだ!!」と思いました。
自分のしたいことと、その社長様は「君の目を見ていたら成功できる、ということが分かった。全面的にバックアップするからやってみろ」と仰って下さり、仕事をさせてもらえるようになりました。ひとつ目標達成です。
今は少し信用もできたのか、仕事量も増えてきました。やはり、人よりも何倍もの時間がかかるので、土、日も関係なく仕事をしております。不自由をいい訳にしたくありませんから、人の3倍努力5倍すれば何とか一人前のことはできます。
少しオーバーワーク気味で、疲れますが、佐藤先生どんなにしんどくても楽しくて楽しくてしかたがないのです。
いつの間にか、どんなことでも楽しみに変えてしまうフィルターを身につけたようです。
佐藤先生の御言葉で、目からウロコが落ち、それからというものは、気味悪いくらい人生がうまく前進しております。
佐藤先生のひとことが、私にとりましてまさしく「成功と幸福を呼ぶ言葉」となりました。ありがとうございました。
文末になりましたが、以前に立ち喰いステーキのテレビを拝見いたしました。
不快な時候ですが、呉々にも御健康にはご留意され御活躍下さい。
益々の御発展を心よりお祈り申し上げます。敬具 平成7年6月15日 桂誠司
佐藤先生のたった一言が人生を変えた
佐藤先生に言われた一言を三年間実行して、心から嬉しい喜びの人生を送っていると書かれています。
自殺を考え、神も仏もいるものか、と思い人生を呪っていた人が、本当に喜び一杯の人生を送っている、と書かれています。
佐藤先生は、これをご自身のこととしてお考えいただきたい、として、桂さんのお手紙をさまざまな場面で、お伝えされているのです。
この青年にとっては、車椅子というのは最大のプレゼントといえるのだ。
「現在の状況はどうであれ、嘆いてみても始まらない。何の解決にもならないのである。それどころか、ますます事態を悪くするだけである。
そうではなくて、天から与えられた才能に気づき、そこを出発点として考える。ここからどうするか、が生きていくうえで一番重要なことなのである。」
佐藤康行著「生き方教室」より
今回の記事をお読みいただき、ありがとうございます。